寺社探訪

寺社探訪とコラム

山+仏「高尾山+薬王院」②

1号路登り+4号路降り編

f:id:salicat:20231213220625j:image

高尾山ビアマウントです。私はお酒を飲まないのですが、高尾山の初登山は、仲間と一緒にビアマウントに行った時でした。そこから何度か訪れていますが、日が暮れて夜になってもケーブルカーで帰れて、駅には温泉もあって、観光地として偏差値高過ぎますね。

f:id:salicat:20231213221316j:image

こちらは創業1899年の十一丁目茶屋です。薬王院との関係性も歴史があり、店名も薬王院から十一丁目という意味なのだそうです。ものすごい眺望のテラス席が大人気のお店です。

f:id:salicat:20231213222409j:image

十一丁目茶屋を過ぎると、すぐにさる園が現れます。約90頭の猿がいるそうです。今年生まれた猿をイチ押ししていました。さる園の運営はケーブルカーとリフトを運営している高尾登山電鉄で、京王のグループ会社です。高尾山も御岳山も、東京の山奥は京王グループが支えています。

f:id:salicat:20231213223446j:image

蛸杉です。高尾山の杉の中でもかなりの巨木です。説明書きによりますと、参道の開削のために杉の根を切ろうとしたら、一夜にして根が丸まったという伝説が起原です。丸まった根がタコの足に似ているから蛸杉と呼ぶようになったそうです。隣に「ひっぱり蛸」という開運をもたらす石像があります。

f:id:salicat:20231213224322j:image

ようやく門が見えました。ついに薬王院に入ります。こちらは浄心門と称します。扁額には薬王院のキャッチフレーズである「霊気満山」と書かれています。

f:id:salicat:20231213224450j:image

浄心門を抜けてすぐに神変堂があります。真言宗天台宗の寺院に多いのですが、修験道の開祖である役小角役行者神変大菩薩)を祀ったお堂です。天狗の化身など伝説だらけの人物ですが、山岳信仰の寺院や神社なら、必ず名が出てきます。高尾山は真言宗智山派の寺院ですが、高尾山修験道という修験道の拠点でもあります。足腰にご利益があるとのことです。今年の6月に強烈な腰痛で大変な目に遭ったので、よくお参りしておきました。

f:id:salicat:20231213225347j:image

左の階段が男坂、右の道が女坂です。男坂の階段はきっちり108段あります。男坂の階段を登ったところから三密の道があります。苦抜け門を通って更に階段を上がると、仏舎利塔に辿りつきます。南伝仏教ストゥーパのような仏舎利塔と、大天狗小天狗を眷属とする飯縄権現の像と、様々な慰霊碑があります。行きませんけど。

f:id:salicat:20231213230644j:image

参道を更に歩くと、柴燈大護摩供の檀木や杉苗奉納をした方の名前が掲示されています。こちらも年始には一新しますから、奥の方から手作業で剥がしているのが見えます。実は私の名もあるのですが、今年は奉納してないので、来年は掲示されません。お金にも気持ちにも余裕がない1年でした。来年はまた杉苗奉納できるような1年にしたいものです。

f:id:salicat:20231213231358j:image

山門に到着しました。薬王院の山門は四天門で、間に天狗の面があります。ここからは寺院としての機能が詰まったエリアになります。大きく4エリアに分割できます。山ですから段々の階層になっています。薬王院は大きく3階層あって、奥に本坊(寺務所・庫裏エリア)があり、合わせて4エリアというのが私の勝手なエリア分けです。

f:id:salicat:20231213232129j:image

1階層目は様々なアトラクション的堂宇と、お土産やお守りの授与所と、御朱印やご祈祷の受付があります。中でも人気なのは大きな錫杖を棒で叩くアトラクションです。これはいつも行列ができます。他には銭洗いもあります。弁天様ではなく、密教の守護神である八大龍王です。空海が名付けたという清滝権現の信仰ですね。様々な堂宇があるのですが、私が今回薬王院を訪れた目的は、納札所に去年いただいた御札を納めることでした。リュックから持ってきた御札を出して納札所に納め、1年を過ごせたことに感謝しました。

f:id:salicat:20231213233459j:image

では、一面クリアで2階層目への階段を上がります。階段の上には仁王門があります。

f:id:salicat:20231213233633j:image

こちらは本堂です。普段はあまりやらないのですが、今回はお線香を奉納しました。本堂内は多くの方が集まって煤払いをしていました。僧侶だけでなく一般人の格好の方もいたので、檀家さんが駆り出されているのだと思いました。多くの方が崇敬する寺院の1年の煤払いですから、物凄いご利益があると思われます。そういえばこの日は浅草寺でも煤払いだったはず。不勉強で申し訳ないのですが、12月13日は煤払いする日なのかもですね。

f:id:salicat:20231213234429j:image

この階層には鐘楼堂の他、愛染明王歓喜天などの堂宇があります。奥には大師堂がありまして、扉が開け放たれて僧侶が出入りしていましたので、こちらも煤払いか、他の行事をしていたものと思われます。この大師堂の周囲は四国八十八ヶ所巡礼お砂踏み所となっています。

f:id:salicat:20231213234820j:image

さて次の階層に上がります。寺院に鳥居ということから想像できますが、3階層目は神仏習合エリアとなっています。薬王院の本尊は薬師如来飯縄権現となっていますが、私が薬王院を見てきた感覚では、確かに薬師如来も本尊ですが、圧倒的に飯縄権現が中心的本尊です。

f:id:salicat:20231213235802j:image

この階層の中心にあるのが本社、つまり飯縄権現堂です。私は本社に飯縄権現、本堂に薬師如来を祀っているのだと思っていましたが、以前ご祈祷の際に本堂の内殿に案内されたら、そこには飯縄権現がお祀りされていました。飯縄権現の手札サイズのお印をいただき、僧侶といっしょに「南無飯縄大権現」とお唱えしました。

f:id:salicat:20231214001310j:image

本社の左側はお社エリアとなっています。神仏習合というか、まるで神社のようです。正面は稲荷社、左は天狗社です。

f:id:salicat:20231214001731j:image

更に階段を上がって、奥の院へ向かいました。薬王院奥の院は、建物も不動明王像も都の文化財になっている不動堂です。不動堂の裏には浅間社があります。この浅間社が薬王院の最も奥にある建物です。富士山より勧請したこの浅間権現にお参りすることで、富士山にお参りしたのと同じご利益を得られるということです。

f:id:salicat:20231214002554j:image

薬王院を抜けて山頂を目指します。と言っても、舗装された歩きやすい道を進みます。

f:id:salicat:20231214002742j:image

大きなトイレを通過するとまた登り坂ですが、こちらが最後の坂です。この坂の上はもう頂上です。

f:id:salicat:20231214002907j:image

混んでなくて良かったのですが、本当に半分ぐらい中国人なのではないかと思われました。これからの時代は、中国語をマスターしたら食うに困らないのではないかと思われます。座れる場所があったので、ポカリを飲みながらしばらく過ごしました。

f:id:salicat:20231214003455j:image

ここで皆さん写真撮影をしています。ケーブル駅で190円だったポカリは、ここでは210円でした。老若男女が登れて、観光に来た外国人も特別な装備なくで登れて、高尾山は本当に素晴らしい。薬王院貫首佐藤秀仁さんは、朝早く誰もいない時間に高尾山を登ると、人生に必要な自信や勇気が新鮮になってスッとすると仰ってました。いつか実現したいと思います。f:id:salicat:20231214005244j:image

山頂からの下りは4号路を行きましょう。4号路は山歩きになりますので、スニーカー以上で動きやすい格好が推奨です。上りは結構大変な気がします。下りは膝の悪い人はしんどいかもです。それでも、人が大勢いる舗装された道とは違う心地良さがあります。

f:id:salicat:20231214005856j:image

私の後ろからやってくる二人組の男性たちも4号路の山歩きが楽しいらしく、興奮して喋りまくっていました。ひとりは声が甲高く、はんにゃの金田のように山中に響き渡る声です。彼がいれば、熊よけ鈴は不要です。私は静かな山中を歩きたかったので、息継ぎもなく喋り続ける金田たちに先に行ってもらいました。盛り上がって喋りたい彼らの欲と、静かに歩きたい私の欲がぶつかってしまいました。先に行ってもらうと、ドップラー効果で、金田の声が少し静かになりました。

f:id:salicat:20231214010750j:image

この吊り橋は4号路の目玉のような感じです。ここで記念撮影する人が多いです。下は沢になっていますが、恐怖心なく渡れます。

f:id:salicat:20231214011131j:image

4号路は、薬王院浄心門で1号路と合流します。もう少し山中を歩きたい気分でしたが、とても気持ち良かったです。ケーブル乗り場に行くと、平日なので本数が少なく、次のケーブルまで30分待たねばなりません。そういえば……と、思い出しました。そういえば、リフトに乗ったこと無いなと。リフトなら常に動いているので待たなくて済みます。リフト乗り場に向かい、490円は高いなと思いつつ、チケットを買いました。

f:id:salicat:20231214011829j:image

学生時代、冬は長野県白馬村の八方尾根で住み込みバイトをしていました。26歳までは真面目にスキーをしていましたので、リフトに乗るのは慣れているつもりでしたが、結構怖かったです。昔できたことを今でもできると思うのは危険ですね。そんなことで、スマホを落とすと迷惑になるので、リフトからの撮影はやめましたが、良い景色で楽しかったです。あっ……、金毘羅……。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

ランキング参加中(よろしくお願いします)

にほんブログ村 歴史ブログ 史跡・神社仏閣へ
にほんブログ村

神社・仏閣ランキング
神社・仏閣ランキング