寺社探訪

寺社探訪とコラム

「桜の銘木を見に行く」

桜のきれいな写真を撮るには、晴天の午前中が良いです。桜の開花と天気予報と自分の休みを照合すると、3/22の午前中しかないという結論。しかし、結局はWBC勝戦の魅力に及ばず、日本の優勝を余韻まで味わってから家を出ました。

桜並木も美しいですが、私は銘木と呼ばれるような一本の特別な桜の木が好きです。午後になってしまったのは残念ですが、銘木と呼ばれる桜を見に行きました。やってきたのはJR高尾駅すぐの真言宗大光寺です。

寺社探訪の師匠いわく、昔の日本や寺社にとって花見といえば梅の花が一般的で、そもそも桜はマイナーだったとのこと。しかし、現代は桜が花見の定番になっていて、国花にもなっています。日本では法律で国花を定めていないのですが、国を象徴する花として桜と菊が挙げられています。

本堂の右側に大きな枝垂桜がありました。やはり午後の陽が低く強く差していて、おまけに境内からは逆光で非常に撮影しにくいです。これがフレームに太陽が入らずに全景を撮影できるギリギリのラインです。それにしても立派な枝垂桜です。

なるべく影を作らないような場所から撮って更に調光するとこんな感じ。こういう撮影上の問題は午前中に来るだけで解決されるのですが、WBC勝戦が1点差のシビれる展開で優勝という結果だったので、ここは我慢しましょう。この枝垂桜は樹齢400年だそうです。既にあちこちに支えが必要なほど大きな木になっていますが、見事に花を咲かせています。江戸時代、この枝垂桜が咲けば、地域の農家さんたちが農作業のシーズンを迎えるという目安になっていたそうです。

本堂の左側に咲いているのは、樹齢200年の江戸彼岸桜というそうです。説明書きによると、江戸という名が付いているが、本州四国九州に自生している桜だそうです。老婆彼岸(うばびがん)とも言うそうで、葉が実る前に花が咲いて散るから「葉が無い=はが無い=歯が無い」ということで老婆彼岸と名付けられたのだそうです。この桜も見事ですね。

境内にはもう1本小ぶりの枝垂れ桜があります。本堂脇の枝垂れ桜に比べると、1/6くらいのサイズ感です。150年後くらいには、たくさんの添え木に支えられた巨大な銘木になっているでしょう。境内には外国人観光客の姿も見え、多くの方がカメラやスマホを構えていました。

さて、大光寺から国道20号へ出て、高尾山方面に向かいます。高尾山は梅も桜も有名ですね。これから向かうのは金南寺です。大光寺も金南寺も真言宗智山派の寺院ですが、現在の大光寺は単立寺院となっているそうです。単立寺院とは包括宗教法人となっている宗派に加盟せずに、単体で運営されている寺院のことです。いずれにせよ大光寺も金南寺も、真言宗智山派大本山高尾山薬王院と深い縁のある寺院だと思われます。

大光寺から金南寺までは、徒歩15分ほどでした。道中に小さな祠やお地蔵様をいくつか見かけました。高尾山が近いからか、古くから信仰が通りに溢れているような場所だったのでしょうね。

※後日このあたりに小仏関の関所破りをした者に対する処刑場があったと知りました。

坂を上がりながら住宅街を歩いていくと、遠目にもわかる感じで現れました。この感じは「桜並木ではなく、単独で咲き誇る特別な桜の銘木」というコンセプトにピッタリ一致しますね。お彼岸中なのでお墓参りの檀家さんの出入りがありましたが、大光寺のように観光や写真を撮る目的の方はいませんでした。これは偶然いなかっただけで、曜日や時間帯によっては訪問者が多いはずです。

近くで見ると本当に素晴らしい枝垂れ桜です。樹齢100年以上とのこと。本堂の裏側は山になっていて、本堂にご安置された本尊に向かって手を合わせるというより、高尾の山々に祈っているような感覚がします。そして振り返ると、降り注ぐような枝垂れ桜が視界を埋め尽くします。詳細は未確認ですが、大光寺でも金南寺でも、開花シーズン中にライトアップをしている期間があるそうです。高尾界隈には桜の名所がたくさんありますので、またいつか訪れてみたいです。

 

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