寺社探訪

寺社探訪とコラム

「共病文庫 ③」

「生・老・病・死」は「四苦」と言って、仏教では人生を代表する苦しみとされています。

不穏だった医師との関係も何となく改善し、手術前の4日間の検査入院を終えました。

 

金次第

病院を出る前に、次回の入院についての手続き、病室の希望などの説明があります。看護師や栄養士、薬剤師とカウンセリングするのですが、常連の私は前回のデータがあるのですぐに済みました。入院に際して連帯保証人が必要とのことなので姉にメールでお願いしました。

しかし、がんでもないのにロボット支援手術です。もしかしたら……と調べてみたら、同じロボット支援手術でも、保険適用の手術とそうでない手術がある様子。保険適用でなければ手術代が80万円〜150万円という情報もありました。私は本人なのでいくらでも出しますが、家族だったら保険適用の腹腔鏡手術や、なんなら開腹手術でお願いします。と言ってしまうでしょう。よく芸能人が驚くような金額のがん治療をしているニュースを見ますが、賎民の私は健康も金次第なのです。翌日、病院に電話して、入院費と手術費の概算を聞くと、そこまで高額ではなくて安心しました。

 

フリーランス

私はフリーランスで働いているので、1ヶ月以上も仕事を受けられない状態というのは相当に危機です。おそらく誰かが私の代わりを務めてくれると思いますが、それは即ち私が戻る場所が無くなるということです。これは保証の無いフリーランスの厳しい点で、休んでいる期間の収入が途絶えるだけでなく、その後復帰できない危険もあります。

私は4月1日から病院にいるので、自分がいた場所がどうなっているかを知ることはできません。フリーランス仲間たちも、入院中の、そして働く場を失う私に気を遣うだろうし、私も自分だけドロップアウトして、大変な中で頑張っているみんなにかける言葉もありません。こうなっているのは自分の選択した人生の結果ですから、戻る場所のことは考えず、また働ける体になることを目指して過ごそうと思います。私は一人なので、何をしても生きていけると信じましょう。

 

家族

私は独身で家族はいないのですが、遠方に母と姉妹がいます。前回会ったのは4年半前で、長男の大学の卒業式のために姉夫婦が母と共に茨城県に行った帰りに東京に寄ってくれたので、もんじゃを食べに行きました。妹とはいつ会ったか思い出せません。姉は看護師ひと筋30年で病気のことは興味もあるようなので、メールで色々報告していました。今回の手術のことも姉には詳しく伝えています。

病院には手術に誰も立ち会いませんと伝えていましたが、姉が母を連れて手術の立会いに来てくれるという話になりました。母は兵庫、姉は広島からやってくるので、費用も含めて大変な負担です。今回は大きな手術ですが、そこまでの負担をしてもらってまで、立ち会ってもらうほどではありません。もっと病状が進めば、危険な手術もあるかもしれません。今回は来なくても大丈夫だと言ってみましたが、親切心で来てくれるというのを、あまり強引に断るのも失礼な話です。ありがたく立ち会ってもらうことにしました。

 

(※  写真はフリー素材です)