寺社探訪

寺社探訪とコラム

自然と祈り・秘境的絶景の寺社3選

寺社を訪問すると、その寺社の創建は何年でどのくらいの歴史があるのかなどと調べますが、寺社が建つ場所は、創建以前から神聖な場所として人々が特別視していた場所が多いです。山中に入ると、そのような場所には、何かしら神聖な力を感じられる異様の光景が見られるものです。石や樹木が巨大だったり妙な形状だったり、見たものを畏怖させる光景があり、そこが聖地認定されていったのだと思います。今回は私が歩き回って見つけた、神聖な力を感じられる特別な場所をご紹介します。

 

 

九十九神社(青梅市

青梅市日向和田、神明橋通りから少し降りたところにある九十九神社です。山ではなく川沿いなのですが、ほぼ人が行き交う場所ではありません。周囲には民家もあるのですが、ここだけ異世界のようになっていました。神明橋通りから坂を下っていると、野良猫が迎えてくれました。猫の案内に従って歩いていくと、小さな神社に辿り着きました。

全体に苔むした感じに見えるのは、苔ではなく雑草で、訪れる人が少くて踏み荒らされないから一面に苔が生えたように見えます。狛犬と鳥居と小さな祠だけの神社ですが、この世と別世界の境界線のような印象でした。お参りを終えると、入口で猫が待っていてくれました。地域猫のようで人馴れしている感じでしたが、敢えて近づきませんでした。坂の上で振り返ると、猫は居なくなっていました。

 

愛宕神社 階段(奥多摩町

JR青梅線の終点、奥多摩駅から歩いて多摩川を渡ると、愛宕神社の入口があります。そこからは山道ですが、少し丈夫なスニーカー程度でも大丈夫です。しばらく山道を歩いていると、突如としてこの長い階段が現れます。188段あるそうですが、長さより斜度がすごいですね。

愛宕神社には階段が付きものですが、この奥多摩愛宕神社の階段はかなりのインパクトでした。この階段を上ると、五重の塔や平和の鐘や、日本山妙法寺の南無妙法蓮華経の石碑など、祈りのミックスゾーンのような広場に辿り着き、そこから更に階段を上がった山頂に愛宕神社があります。裏側に降りると車道があって、登計トレイルや鋸山へ行くことができます。

 

① 武蔵御嶽神社 奥の院 鳥居(青梅市

奥多摩の山々の中でも一番人気の御嶽山ですが、御嶽山の山頂は御嶽神社の境内になっています。そこから奥はロックガーデンや天狗岩など、山歩きコースがいくつもあり、多くの山好きの方々が行き交います。そんな山歩きコースのひとつに、武蔵御嶽神社奥の院へ向かうコースがあります。武蔵御嶽神社境内の一番奥に、奥の院遙拝所がありますが、そこから見える奥の院峰に向かいます。

奥の院コースへの分岐点に、鳥居が建っています。鳥居の横には「天狗の腰掛け杉」と呼ばれる杉の木が立っています。暗い山中から明るい景色を見る形になりますので、逆光で黒いシルエットが強調されて、妙に神秘的な雰囲気になっています。鳥居をくぐって逆から見ても、こんな雰囲気はしないので更に不思議に感じられます。奥の院峰までの道のりは、途中に鎖場もありますが、若い方は本格的な登山靴でなくても丈夫です。木の根が剥き出しで足をクネリやすい道なので、足首がホールドされている靴がオススメです。

 

番外編:三峯神社 表参道 清浄の滝(埼玉県秩父市

都外なので番外編になりましたが、秘境的スポットといえばここが真っ先に思い浮かびます。三峯神社に行くには、マイカーやバスでダイレクトに入口に到着する方がほとんどだと思います。実は三峯神社の裏側には、表参道という山道を3時間ほど歩く、かつては主流だったコースがあるのです。私が訪問した時は、この3時間ほどの道程で人類をひとりも見かけることがありませんでしたから、本当に表参道を歩いて三峯神社に行く方は少ないのだと思われます。表参道は若い方なら平気かもしれませんが、軽登山用でも良いのでちゃんとした登山用の靴がオススメです。

そんな表参道を歩いて程なく、荒川が近いですから川のせせらぎが大きくなって、流れの激しい小川が眼下に見えるようになってきます。いい雰囲気だなぁと思いながら歩いていると、ぽっかりと清浄の滝と三連鳥居が現れます。突然ここだけ異世界のようになっていて、涼しげだとか美しいとか、具体的な感覚が麻痺してしまいます。「妙」という言葉は仏教でよく使われますが、「得も言われぬ」、「表現できないような」、という意味で使われます。「絶妙」と言ったりしますよね。この場所はまさに「神妙」な空気に満ちていて、滝の音に思考がかき消されて、目に映る景色がダイレクトに心に投影される気がしました。

 

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