寺社探訪

寺社探訪とコラム

「みたままつりに行く 2023」

危険な猛暑が続いていますが、靖国神社で毎年7月13日から16日までの間、みたままつりが開催されています。

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靖国神社では一年中殿上参拝(正式参拝)をすることができますが、みたままつり期間中は殿上参拝の他に夜間中庭参拝を行っています。夜間中庭参拝は、拝殿と本殿の間に位置する中庭に参拝スペースが設けられていて、10人ひと組くらいまでの人数で神職さんに連れられて中庭の参拝スペースに向かい、そこでお祓いを受けて神職さんに従って本殿に向かって拝礼するというものです。ロウソクのぼんやりした灯りで中庭が照らされていて、神聖な雰囲気があります。ただ、みたままつり期間中はまだまだ日が長いので、雰囲気が出るのは終わりの方になってしまいます。

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私の個人的な感想を言いますと、中庭参拝するなら、殿上参拝(正式参拝)した方がお参りした感があって良いです。靖国神社の本殿は何もない畳の部屋で、御神体は巨大な鏡です。そこで神職さんの祝詞を聞き、英霊に祈りを捧げると、本当に近い場所で伝えられている気がします。気軽に手早く済ませたい方は中庭参拝がちょうど良いのか、そちらの方が人気があるようですけどね。

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靖国神社戦没者追悼のためにお参りしたなどと言うと、戦争で亡くなった親族がいるのかと聞かれます。私には戦争で亡くなった親族はいないと思うのですが、先の大戦で戦った人々は、大切な人の未来のため、もっと広く言うと日本の未来のために命がけで戦ったのだと思います。彼らが守りたかった未来の日本に私は生きているのだから、戦争で亡くなった大勢の方々の中に自分の親族がいるかどうかなど、考える必要も無いと思っています。

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さて、昨年はみたままつりの象徴である提灯を奉納したのですが、都合が付かずにみたままつりには行っていません。今年は提灯の奉納はしていません。いつもの振込用紙付きの案内が今年は届かなかったから、という怠惰な理由です。ちなみに来年からは値上げになるそうです。電気代が高騰していますからねぇ。一応、現地でも申込みができますので、希望される方はどうぞ。何万灯もありますが、自分が奉納した提灯がどこに飾られているのか教えてくれる場所があります。皆さん自分が奉納した提灯の前で記念撮影していらっしゃいました。

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私が訪れたのは正式には前夜祭と呼ばれる日で、夕方の5時頃でした。毎年曜日に関係なく13日から16日までの開催で、最終日には神輿や青森ねぶたなどが見られます。つのだひろさんが毎回奉納野外ライブをしていますが、私の記憶だとたぶん20年以上前からやっていると思います。20年前頃ですと、戦争に関わった方々がまだご存命で、同期会やら様々な団体の方々が観光バスで参拝に来ていました。みたままつり開催中の靖国神社では、軍服を着ていても誰からも咎められません。神楽殿で軍歌ライブが行われて、お年寄りの皆さんが大声で軍歌を歌う姿が見られました。「戦争=悪」という戦後教育を受けて育った私たちですが、戦後教育以前の時代を生きた人々は、そんな教育がなされるなんて露にも思わず、大切なものを守るために命を燃やしたのだと思います。軍歌を歌ってお互いに気持を奮い立たせた連帯感が、靖国神社の神楽殿で蘇っていました。

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この日は演歌歌手の方々の歌謡ショーがあるはずですが、まだ開催前でガラガラでした。一昨年は神楽殿を使った催しは中止になっていて、御神輿が展示されていました。またコロナ感染が拡大してきたので、お正月に比べると屋台は少ないですが、かき氷や焼きそば、ビールやサイダーなどの屋台は出ていました。

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こちらは「さくら陶板」といって、創立150年記念事業で境内を改修した時に創られたものです。各都道府県の陶工が、現地の土を使って創った桜の陶板が展示されています。これは本当に素晴らしいと感銘を受けました。多くの方々が遠い東南アジアの海で亡くなりました。故郷の土は彼らにとって何よりの慰霊だと思います。その土で日本の象徴である桜を象り、ここに帰って来てくださいと、遠き果ての海から御霊を迎えているように思えるのです。ちなみに右が東京都、左が、神奈川県です。

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殿上参拝(正式参拝)すると、遊就館(資料館)の割引チケットがもらえたはずなので、先に参拝してから遊就館に行くとお得です。私はいつも逆で、遊就館で追悼の気持ちを高めてから参拝するという順番なので、お得な割引券を無駄にしてしまっています。

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遊就館では特別展示も行っているようでした。今回私は殿上参拝も中庭参拝もしないで、普通に拝殿でお参りしました。遊就館も見学しないで、提灯の奉納もしなかったです。実はこの日は朝から大学病院で検査を受けていて、かなり疲れてしまっていたのです。それでも今年も戦没者追悼に来れて良かったです。ウクライナとロシアの戦争は武器を小出しにした探り合いのようで変な感じに見えますが、その中で多くの人々が亡くなっています。今日の靖国神社のみたままつりには沢山の方々が訪れていました。きっと私が死んでも、祖国の未来のために亡くなった方々を追悼することは、ずっと続いて行くのだと思います。みたままつりは16日まで開催していますので、行ける方は訪れてみてください。コロナ感染と熱中症に気をつけてくださいね。

 

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