寺社探訪

寺社探訪とコラム

「初詣に行く」

元旦から大きな自然災害が発生しました。日本海側はこれから天気が崩れるようで、風雨や降雪や寒波の中を困難に立ち向かう皆様に、神仏の加護があらんことを願います。

 

新年を迎え、自宅の神棚を2024年仕様に整えるため、至って真面目にお参りしてまいりました。新興宗教2世なので神棚とは無縁に生きてきましたが、こんな年齢になってお祀りの仕方から学んでいます。神棚には三柱の神様を祀るのがスタンダードなのだそうです。中央に伊勢神宮の天照皇大神、右側には地域の氏神神社の神様、左には崇敬神社の神様をお祀りします。私は至って真面目ですが、本来こういうことは新年を迎える前に済ませておくべきことなのでしょうか。

昨年11月に引越をしましたので、今年は氏神様が変わるのですが、私は律儀なので昨年の御札は昨年まで住んでいた国立市氏神様である谷保天満宮へ納めに行き、新しい住所地の氏神様にも行って、今年の御札をいただくことにしました。

訪問したのは1月2日のお昼頃です。陽は出ているのに小雨が降っていたこともあって、谷保天満宮は混雑していませんでした。境内を一廻りしましたが、納札所がありません。他の方の行動を観察していると、燃えるゴミや燃えないゴミを捨てるゴミ箱に入れている方も見られます。露店のたこ焼きや焼きそばのゴミと一緒に捨てるのは、さすがに心苦しい。

と思っていると、焚火の中に直接御札や破魔矢を入れている方もいて、私もそうしました。私が入れた神宮大麻谷保天満宮の御札と破魔矢が燃え出すと、隣りにいた老婆がその煙に手をかざしました。煙に触れるとご神徳をいただけるのか、単に煙たかったのか、私にはわかりません。

崇敬神社は特に無いのですが、毎年戦没者追悼に訪れている靖国神社で御札をいただいています。靖国神社が祀る神は日本神話の神々ではありません。日本が近代国家として歩むための戦争に参加した英霊たちです。神話に登場する特別な御神徳を持った神々ではなく、この国に生きてこの国の未来のために亡くなった人たちを神様としてお祀りしています。

訪問したのは翌日、1月3日の15時頃なので、初詣客も少なめです。混雑する場所が苦手なのに、混雑する場所に出かけていく矛盾を抱えたまま老いていきたいと思います。ところで九段下の駅から靖国神社までの間の歩道で新興宗教関係者がビラを撒くのは、いったいどういう意図なのでしょう。それはさて置き、天気が悪いですね。お正月ということを考慮すると、かなり空いているのではないでしょうか。たくさんの露店が立ち並んでいましたが、皆さんお正月はしっかり稼げたでしょうか。

二之鳥居です。靖国神社の鳥居はどれも大きいのですが、日本一の鳥居として建てられた一之鳥居は、現在では日本第6位だそうです。二之鳥居は日本一の青銅製鳥居だそうです。ここを抜けると左に手水舎があります。

手水舎の前あたりで獅子舞をしている方がいました。特に舞を披露しているのではなく、縁起物として獅子舞に頭を齧られるというのを有料で提供していました。確か去年も獅子舞さんがいて、これ、ボランティアだったらすごい大変という感想だったと思いますが、ボランティアではなく商売でした。二人一組で活動していました。

今年は辰年なので、龍の絵が掲げられています。神門あたりから行列が始まっていました。最後尾に並んで、心穏やかに待ちます。私は寺社探訪などというブログを書いているので、神社に参拝される方々が、その神社についてお喋りしている話を聞くのが好きで、ついつい聞こえてくる会話を盗み聞きしてしまいます。お隣のカップルさんは東京大神宮から靖国神社というコンボ中でした。「ここでは個人的なお願いできないね」「自分の夢を叶える神社じゃないからね」と語り合っていました。若い方々にとって、神社は夢が叶うように願う場所なのですね。ここは多くの戦没者が祀られている神社ですが、私は夢を願っても良いと思いますよ。夢に向かって生きている姿は、きっと戦没者たちが命がけで守りたかった日本の未来なのですから。

行列に並ぶこと40分で、先頭に到達しました。盗み聞きした周囲の人々の会話大賞を受賞したのは、お賽銭の話です。お賽銭は5円玉とか、色付きの硬貨とか、お札にすべきとか言われていますが、その方曰く、500円玉が最良なのだそうです。それは500円玉以上の硬貨は無いからだそうです。硬貨と効果でダジャレですね。せっかくなので500円玉を投入してお参りしました。拝殿の中では昇殿参拝(正式参拝)される方々が修祓の儀を受けていました。

以前「みたままつり」を訪れた際に、昇殿参拝(正式参拝)した様子をレポートしましたが、令和6年から靖国神社の昇殿参拝の料金(玉串料)が改定になりました。こういうのは「お気持ちで」というのが一般的だと思っていましたが、2000円から5000円になったそうです。私は遊就館から昇殿参拝のコースを推奨して、2000円はお買い得みたいなレポートをしましたが、5000円だと気軽には出せませんね。

靖国神社には納札所がありました。しかも、神職さんが手渡しで受け取っていました。おそらく、自由に納めてくださいとしていると、関係ないものが納められて困るんでしょうね。私は過去にいただいたお札も併せて、5枚のお札を納めました。崇敬奉賛会に入っていましたので、靖国神社からお札をいただく機会が多かったのですが、ずっと貯めてしまっていました。去年までの全てのお札を納めてすっきりしました。授与所にいた巫女さんの中で、一番優しそうな方から新しいお札をいただきました。これで我が家の神棚の神様が揃いました。今年もよろしくお願いします。

この遊就館の奥の広場はいつもあまり人がいないので、ここでコーヒー飲んでひと休みするのが、私の靖国参拝の恒例となっています。お正月は甘酒が振舞われています。皆さん行列を作っていました。甘酒の匂いだけで温まりそうです。

こちらは初めてご紹介しますが、「戦跡の石」というモニュメントです。硫黄島グアム島、レイテ島などの激戦地の石が飾られています。遠く南の島で、遺骨を戻すことすら困難な激しい戦いで亡くなった人々と遺族が、せめて気持ちを通わせる接点となる貴重なモニュメントだと思います。

こちらはいつも靖国神社に来ると紹介する「さくら陶板」です。47都道府県の土を用いて、その土地出身の陶芸家が製作した、日本の象徴「桜の花」を象った陶板です。各都道府県ごとにこのような立派なケースに入って展示されています。戦争で亡くなった人々が守りたかった社会で、彼らが生きられなかった日々を、今年も経験させていただいています。毎日を大切に生きなければいけないです。

 

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