寺社探訪

寺社探訪とコラム

虎ノ門 金刀比羅宮

虎ノ門金刀比羅宮 目次

名称・旧社格

金刀比羅宮と称します。通称の虎ノ門金刀比羅宮で呼ばれています。旧社格は府社です。

創建

万治3年(1660年)に讃岐丸亀藩主の京極高和が、芝・三田の江戸藩邸金毘羅大権現を勧請したことが始まりです。

御祭神

大物主神

崇徳天皇

見どころ

まさに都会のど真ん中と言うに相応しいロケーションです。定期的に神楽が披露されています。

アクセス

東京都港区虎ノ門1-2-7

東京メトロ銀座線「虎ノ門」徒歩1分

 

探訪レポート

ちょうどお昼時に訪れたので、ビジネスマンの皆さんのお昼休みと重なって、多くの方が行き交っていました。境内の入口は鳥居の前に金属のポールが建てられていて、いかにも都市っぽい感じがします。隣がコンビニなので、軽食や飲み物片手にお昼休憩するビジネスマンが集っていました。

手水舎は2つありましたが、こちらの手水舎の方が味があって良いです。金刀比羅宮は海運の神様として名高いですが、特にこの地で海運の神様が求められていた訳でなく、大名が任地の有名神社を江戸屋敷に勧請するという「江戸あるある」のパターンです。中央区の安産祈願で有名な水天宮と同じですね。虎ノ門金刀比羅宮の本宮はもちろん香川県の琴平にある金刀比羅宮です。以前当ブログの「山+神」企画で奥多摩の三室山へ登ったとき、山中に琴平神社がありました。深い山の中にあった琴平神社も四国讃岐の金刀比羅宮から勧請した神社でした。当然山中ですから海運のご神徳を求めたのではなく、地場産業だった養蚕の神様として信仰したそうです。金刀比羅宮は海運や大漁だけでなく、五穀豊穣や殖産興業の神様として、江戸庶民から信仰されてきたのだそうです。ちなみに、讃岐の金刀比羅宮(本宮)の東京分社というのが水道橋にあります。

雰囲気のあるスタイリッシュな神楽殿です。こちらでは毎月10日(平日のみ)に里神楽が奉納されてるそうです。しかも11時、12時、14時、15時、16時の5回奉納されるとのこと。多くの人が行き交う町ではありますが、かなり人気があるのですね。

高層ビルに囲まれた社殿ですが、暗いイメージはありませんし、大きさというか威厳も感じます。戦中に焼失し、昭和26年(1951年)に再建されたものです。お祀りされているのは讃岐の本宮と同じで、大物主命と崇徳天皇です。私は大昔、1人用テントを積んだバイクで各地をツーリングしていたことがあるのですが、讃岐の金刀比羅宮を訪れた際、あの石段を登るかどうか悩みに悩んで、断念した過去があります。それ以来、なんとなく金刀比羅宮に後ろめたい気持ちがあります。いつかリベンジできたらと思っています。

珍しい鳥居です。この渋い色は緑青ですね。文政4年(1821年)に奉納された鳥居です。柱の部分に四神の彫刻が施されています。四神は中国の神話に登場する四方を守る霊獣ですが、日本だとRPGゲームや漫画によく登場するイメージがあります。青龍(東)、朱雀(南)、白虎(西)、玄武(北)で四神です。

丸金は金刀比羅宮の御神紋とのこと。五色旗が綺麗です。土地柄もあるでしょうが、神社全体的に品があるんですよね。あまり神道などの信仰に馴染めない方も、この神社なら気軽に訪問しやすいと思います。

こちらは境内社の結神社です。良縁祈願をする神社となっています。江戸時代から、自分の毛髪や折り紙を結びつけて、縁を結ぶこととかけて祈願されてきたそうです。現在では「良縁祈願セット」というものが社務所で売られていて、その中に赤い紐がありますから、それを結びつけて祈願するのだそうです。中学生なら深刻になりそうですね。

こちらは喜代住稲荷神社です。どういう神社か詳細はわかりませんが、境内社に稲荷神が祀られていることはデフォルトです。

社殿の左に参集殿の入口があります。主祭神の大物主命は大国主命の異名だとか和御魂だとか言われる、人々に平安をもたらす神様です。相殿に祀られている崇徳天皇は、日本史の授業で習う保元の乱の登場人物です。皇位継承争いで崇徳上皇後白河天皇が対立し、貴族や武士を巻き込んで交戦したという出来事です。これに破れた崇徳上皇は讃岐に流され、讃岐の地で金刀比羅宮を崇敬して生涯を過ごしたそうです。主祭神と相殿の違いはありますが、道真と天満宮に似ています。昔の人は不遇なまま亡くなられると、神として祀るようにしていたのですね。

百度石もあります。社殿から近くて、これならやりやすいですね。実は以前、虎ノ門金刀比羅宮の前を通り過ぎたことがあります。変な神社という感想のみで通り過ぎてしまいましたが、いざ中に入ってみると、居心地の良い空間がありました。よく都会のオアシスなどと表現しますが、本当にそんな感じです。機会があれば里神楽も見に行きたいと思いました。

 

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