寺社探訪

寺社探訪とコラム

「御会式に行く ②」

最初の万灯行列がやってきました。よく観察していると、高張提灯を持った方が先頭に2名いて、その後ろに纏を振る人がいて、その後ろから太鼓や鉦を叩く方々が続き、最後に万灯がやってくるという行列です。大堂前の常香炉まで来たら一旦停止。写真( ↑ )の常香炉の左奥に審査員席のような白いブースがありますが、そこが万灯行列の受付になります。代表者が受付に行き、他の方々は常香炉前で待機します。受付が終わったら、大堂に上がってお参りをして、大堂の脇を通って、更に奥へ向かいます。行き先が本殿なのか大坊なのかよくわかりません。本殿の脇の寺務所のあたりに万灯練供養参加者のための休憩所が設置されていました。

今度はスーツに鉢巻きの方々の行列です。こちらは包括宗教法人としての日蓮宗に属していない宗派の方々で、法華宗新興宗教日本山妙法寺の方々のようです。日蓮は独善的で排他的な印象があり、日蓮系の宗派は釈迦よりも日連を信仰対象の中心とする意味合いが強いです。日蓮系の宗派は激しく分派していて、各々独自の信仰を打ち立てています。それでも南無妙法蓮華経の名の下に、講として参加することができるんですね。纏や万灯が無くても、万灯行列と呼ぶそうです。そもそも万灯練供養は、日蓮宗の講(信徒の集まり)の方々が題目(南無妙法蓮華経)を唱えながら日蓮の供養のために練り歩くという行事でした。そこへ鳶の方々も参加して纏を披露したり、お囃子が加えられたりと、信仰とお祭りの要素がミックスしていったようです。

18時になり、鐘楼堂から重低音の鐘の音が響きます。私は珍しがって鐘楼堂を見ていましたが、大田区の皆さんには馴染みの音なのでしょう。皆さん次はどんなお練行列がやってくるのかが気になるようです。纏の振り方は一定の法則があって、上手な人とまだ不慣れな人がよくわかります。また、技術のある方は色々な振り回し方を披露して喝采を浴びていました。

修行僧のよう格好の方々がいらっしゃいました。全国から講が集まるそうなので、どこのどんな講の方々なのか、放送でアナウンスしてもらえれば良かったと思いました。そうすれば、遠くから参加した方も甲斐があるというものです。

少人数での参加ですが、トイプーも帯を締めて参加していますね。講は寺院が中心になっているものが多いです。千葉や山梨からも参戦しているのが見られました。寺院の檀家さんたちが同じ半纏を着て団扇太鼓を叩いて、住職さんと一緒に行列している姿は、見ていて素晴らしいなぁと思いました。もちろん、23区内の寺院や、本門寺の塔頭寺院の講も見られました。

寺院だけでなく、ボーイスカウトや合唱団など、本門寺の近隣の子どもたちの団体も練供養に参加していました。しかし、全部で百数十組あるそうですが、大堂前に到着して受付して参拝して退場するまでひと組10分くらいかかっていました。万灯練供養の行列は深夜まで続くと描かれていましたが、全部終わるのに何時間かかるのでしょうかね。

1時間ほど大堂前で見学をして、池上駅前に戻ってきました。本門寺へ向かう道路と本門寺から戻ってくる道路は一方通行に規制されていました。まだまだ続々と人が増えています。万灯行列は池上7丁目の徳持会館から駅前を通り、参道を抜けて本門寺に向かっています。これだけの人が集まると、誘導は警察官でないとできませんね。皆さんお酒を飲んでいたり、お祭り気分で羽目を外しがちですから、トラブルが起こらないように大変です。

きらびやかな万灯が次々とやってきます。このデザインは、日蓮が亡くなった10月13日、時ならぬ桜が咲いたという伝説からこのようになっています。今でも大坊本行寺には桜の木があって、この時期に花を付けるそうです。駅前は大混雑で、これから本門寺に向かう人々は、たどり着くだけで1時間近くかかりそうな気がします。

万灯行列が駅前を通過する際は、人の流れを止めるので、特に大混雑になっていました。池上駅から本門寺まではいくつかの参道がありますが、全ての通りに露天が並んでいて、こんなに誰が食べるの? と思っていました。それが帰り道に見ていると、たこ焼きや焼きそばや串焼きなどの人気のお店はどこも大行列ができていました。この日の大田区民は、皆さん夕食は露店で済ませるのでしょうか。

池上駅から駅前商店街の様子です。遠くの方から万灯がやってきます。行列に参加する人だけで3000人もいるそうです。池上の住民の皆さんの中には、御会式なんて関係ねぇという方もいらっしゃるでしょうが、ひとりで反発しても仕方ないほどの盛り上がりです。素直に協力する方が良いですね。ただ、ゴミとか道路の後片付けも大変そうです。たぶん私は御会式のほんの一部に触れただけに過ぎません。いつか法話を聞いたり、法要を見学したり、お祭り部分だけでなく、仏事としての御会式にも触れてみたいです。

こちらは京急蒲田駅のホームに立てられていた万灯です。付近の電車もバスも、臨時の特別運転となっているようです。大混雑で疲れましたが、かつて配達で走り回っていた池上の町が、信仰と共にある姿を見られて良かったです。

 

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