寺社探訪

寺社探訪とコラム

阿佐ヶ谷神明宮

阿佐ヶ谷神明宮 目次

名称・旧社格

阿佐ヶ谷神明宮と称します。旧社格は村社です。

創建

不詳ですが、建久年間(1190-1198年)に、土豪の横井兵部が伊勢神宮参拝時に神の霊示を受けて宮川から持ち帰った霊石を安置したのが創建として伝えられているが、社伝によるともっと古くから神聖な地として社を設けて信仰されていた。

御祭神

天照大御神

御神徳

阿佐ヶ谷神明宮唯一八難除祈祷」を受け付けています。

みどころ

拝殿と社殿の配置が絶妙で、神聖な空間を生み出しています。

アクセス

東京都杉並区阿佐谷北1-25-5

JR総武線「阿佐ヶ谷」徒歩2分

探訪レポート

阿佐ヶ谷駅から歩いて程なくの場所にある阿佐谷神明宮に行って参りました。人通りの多い繁華街にあるので、お参りの方も多めです。鳥居をくぐるとすぐに手水舎があります。阿佐ヶ谷神明宮の創建は不明ですが、社伝によると日本武尊の東征の際に阿佐ヶ谷の地で休息を取り、後に日本武尊の武功を慕う人々によってお社が建てられたそうですが、それがいつのことだかは不明です。こういう立地の神社は、都会の喧騒から一気に神聖な空間へ移る感覚がするものですが、阿佐ヶ谷神明宮は、一気にという感じではなく、なんとなく徐々にという感じ。

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左手に神明殿という社務所多目的ホールがあります。阿佐ヶ谷神明宮御朱印には、特別御朱印符と称する和紙に刺繍を施した手の込んだ美しい御朱印があります、いくつか種類がありますし、なんとも雅な御朱印ですので、収集されている方は見逃せないポイントです。他に「神むすび」というレースのブレスレットが人気なのだそうです。

神明殿の隣には北野神社があります。この五角形の珍しい鳥居の先に祀られているのは、菅原道真つまり天神様です。学業成就の御神徳をいただけます。

きれいに整備された美しい境内です。神明殿の正面に能楽殿があります。平成21年に「平成の大改修」が行われ、新しく建てられたものだそうです。舞台の迫り出している感じが良いです。ここで披露されている阿佐ヶ谷囃子は杉並区の無形文化財になっているそうです。

神明殿や能楽殿と同じエリアに猿田彦神社があります。神様には天の神と地の神がいて、猿田彦神は地の神様です。日本神話の有名な「国譲り」伝説で、地の主祭神大国主命が天の主祭神天照大御神に地を譲ります。そして天の神で天照大御神の孫の瓊々杵命が天から地に降りてくるのが「天孫降臨」伝説です。猿田彦神天孫降臨の際に道案内をしたことで、道案内の神様として知られています。進む道に迷ったら、是非訪れてみてください。

ここから更に門があって、神域へと入っていくことになります。瑞祥門と呼ぶそうです。手前の木は二本の木がくっついている夫婦欅です。

門をくぐると、大きな拝殿が目に飛び込んできます。こちらも平成の大改修で新しくなった拝殿です。正面に壁も何もない空間があって、本殿と相殿が並んでいます。この造りはあまり見かけないですが、神の領域が目に見えるようで、とても神聖な気持ちになります。阿佐ヶ谷神明宮では「唯一八難除祈祷」という厄除けの祈祷を行っていて、神職さんと共にこの神の領域に入ってご祈念している方々がいらっしゃいました。

拝殿から見える神殿です。この近寄れない距離が神聖さを感じさせます。結婚式などでは、神職さんと一緒に鳥居の前まで行ってご祈念するそうです。神明社伊勢神宮を各地に勧請した神社ですから、中央に天照大御神が祀られています。神明社では伊勢神宮の外宮に祀られている豊受大神を一緒に祀ることが多いのですが、阿佐ヶ谷神明宮の本殿は天照大御神素戔嗚命スサノオ)と月読命ツクヨミ)がお祀りされています。スサノオツクヨミは、天照大御神と同時にイザナギから生まれたので合わせて三貴子と呼ばれています。

拝殿の右側に元宮と称して、伊弉冉命イザナギ)と伊弉諾命(イザナミ)と日本武尊ヤマトタケル)がお祀りされています。イザナギイザナミ天照大御神の親にあたる夫婦神で、ヤマトタケル阿佐ヶ谷神明宮の創建にまつわる神なので、元宮とは言い得て妙なのです。拝殿の左側に授与所や祈祷の受付所があります。この建物はかなり大きく、降臨殿と称して屋内の祈祷所にもなっています。祀られているのは天照大御神の荒御魂(あらみたま)と豊受大神(とようけのおおかみ)です。ここに伊勢神宮の外宮の主祭神が登場しましたね。阿佐ヶ谷神明宮は、明治から平成2年までは阿佐ヶ谷天祖神社と称していました。天祖神社というのは天皇の祖先、つまり天照大御神のことで、神明宮と同じ意味合いです。新しく改修された境内は、これぞ伊勢信仰という社殿になっています。拝殿でお参りを終えた後、次の方の迷惑にならないように端の方で神聖な空間をしばらく眺めていました。何も考えず眺めているだけで、浄化されていくような気がしました。

 

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