寺社探訪

寺社探訪とコラム

葬儀とお金3「費用の節約」

少し間が空いてしまいましたが、葬儀とお金の話の3回めです。さて、葬儀費用とはどんな仕組みになっているのかを、これまでの2回で書いてきました。そこで今回は、高すぎる費用を抑える方法をいくつかビックアップします。

 

家族葬にする・・・以前のコラムで家族葬について書きましたが、家族葬はできる人とできない人がいるので要注意です。会葬者を限定することで抑えられる費用は、式場使用料や飲食接待、返礼品費用などです。家族親族だけなので、常識にとらわれずマイルールでいきましょう。

 

飲食接待費用を抑える・・・関東では参列者全員に通夜振る舞いをする習慣があります。命の根源とも言える食を通じて、故人について語らっていただくことで供養となるという意義があって行っていることですが、大きな費用がかかることも事実です。現在ではコロナ対策で飲食接待を中止していることが多いです。意義が失われる一方で、大きな費用削減になっています。

 

返礼品費用を抑える・・・会葬返礼品をなしにするというのは、せっかくお越しいただいた方に失礼に感じます。お香典を辞退したとしても、会葬返礼品はお渡ししたいところ。ここで費用を節約する方法は、お香典返しの当日返しをすることです。通常はお越し頂いたことに対して当日に会葬返礼品を渡して、お香典を頂いたことに対して後日お香典返しを発送します。このお香典返しを通夜告別式の当日に渡してしまうことで、会葬返礼品を無くしてしまっても差し支えなくなります。後日発送する送料も削減できます。また、返礼品に値札が付いている訳ではないので、半返しや1/3返しに拘らず、ここでぐっと費用を抑えるというパワープレイも可能です。

 

一日葬・・・葬儀は通夜と葬儀・告別式の2日間に渡って行われますが、通夜を無しにして葬儀・告別式だけにしたら、半額になるかというと、そうはなりません。式場使用料も2日間までで設定されていたら、一日葬にしても割引はありません。また式場使用料が半額になる場合でも、式場の設営が葬儀・告別式の当日遺族が到着するまでに間に合わわなければ、前日から式場を借りて設営する必要があります。一日葬にすると、通夜振る舞いが無くなるので、そこが一番の費用削減になるポイントです。二日間行うことと比べて会葬者数も少なくなり、ある程度規模が縮小されるでしょう。

 

花祭壇(供花組込)・・・これは、頂いた供花を花祭壇にアレンジするという方法です。通常供花は頂いた金額に合わせて籠花にして名札を差して個別に飾ります。この個別の籠花を出さないで、供花のために頂いた金額を花祭壇に充てるという方法です。芳名板という名札を羅列する掲示板を別に用意します。簡単に言うと、例えば、15000円の供花を10基頂いていたら、150000円分の花祭壇が作れるという訳です。生花祭壇費用として葬家が負担する金額を負担して頂くことになるので、芳名板の設置費用が別途かかるとしても、大きな費用削減になります。

しかし、これを推奨する葬儀社はほぼないと思います。葬家の大きな費用削減は、裏を返せば葬儀社にとっては大きな利益削減だからです。最低金額の設定や組み込み割合の設定などで葬儀社の利益を確保しようとされるか、そもそも引き受けてくれない葬儀社がほとんどだと思います。これをウリにして「費用削減できる葬儀を提案します」とアピールする葬儀社もありました(今もあるのかな?)が、式場使用料0円と一緒で、他の項目に利益が転嫁されているかもしれませんので、「どんなものが含まれて、全部でいくら」という判断基準が大切です。

 

火葬のみ・・・通夜、葬儀・告別式を行わず、火葬のみ行うという葬送方式です。直葬という言葉も市民権を得てきた感じがします。会葬者を迎えずに、儀式も行わないので、その分節約されますが、故人をお送りする儀式を省略することで、遺族の精神面に悪影響があるかもしれません。儀式は行わなくても、故人のために時間を使って弔う工夫があると良いです。

 

さて、様々に費用を抑える方法を模索してみましたが、葬儀は社会的に故人を送る儀式で、社会の中で接して共に生きてきた人と人が、生者と死者という関係に変わる不条理を、納得するための通過儀礼です。省略することで費用は抑えられても、省略したことが後悔に繋がらないように、よくよく考えて行うようにしたいです。

 

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