寺社探訪

寺社探訪とコラム

芝大神宮

こじんまりとした神社なのですが、スタイリッシュかつ重みを感じる神社でした。創建は1005年ということで、千年以上の歴史を持つ神社です。

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平安時代、貴族の荘園のように、有力な神社も領地を持つようになり、それを御厨(みくりや)と呼びました。神の台所という意味で「御厨」です。という訳で、そもそもは伊勢神宮の飯倉御厨という領地に建てられた神明社だったそうです。神明社というのは、天照皇大神主祭神として祀っている神社のことで、全国いろんな神社の摂社末社にあるので、探せば皆様の近くにもあると思います。このブログでも訪れた御岳山の頂上にある武蔵御嶽神社にもありました。総本社はもちろん伊勢神宮の内宮です。

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現在の港区芝公園にあった飯倉山に鎮座していた神明社ということで、「飯倉神明宮」と呼ばれていました。お祀りしている祭神が天照皇大神だけでなく、伊勢神宮の外宮の主祭神でもある豊受姫も祀っているので、「関東のお伊勢様」として信仰を集めたそうです。

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徳川の時代になり、増上寺が鎮座地に移転してくることになり、現在の芝大門の地に移ったそうです。まぁ、増上寺に追い出されてしまった訳ですが、相乗効果で参拝客は増えていき、増上寺と共に徳川家の庇護を受け発展します。ちょうど東海道における江戸市中の出入り口ポイントにあったので、芝の街全体が栄えていったそうです。

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狛犬の台座にある「め組」は、あの有名な江戸の町火消しの「め組」のことです。江戸時代、この神社の境内で相撲の春場所が開催されたのですが、芝界隈を管轄していた「め組」の鳶職が顔パスで見物しようとしたら、入れてもらえなくて大喧嘩になったという、なぜこれが歴史に残って歌舞伎の演目にもなっているのかという話です。面白いのは、喧嘩が盛り上がってめ組の人が火の見櫓の半鐘を打ち鳴らしたんですが、裁きの段階で、この半鐘にも罰が下され、流罪となってしまったのです。この半鐘は明治時代になってから無事に芝大神宮に戻り、港区の文化財に指定され、節分祭に合わせ「半鐘祭」という祭事を行われているそうです。

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他に10月に貯金祭という祭事が行われています。不動貯金銀行(→協和銀行りそな銀行)の創設者で、牧野元次郎さんという方の偉業を称えて、貯金塚が建立されています。祭事では貯蓄、貯金の加持祈請が行われているそうです。是非、受けてみたいですね。

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境内にあるものは手水舎と社務所くらいで、摂社・末社は全てなくなってしまって、本社に合祀されています。本当にこじんまりなんですけど、私がいる間は、参拝する人が途絶えませんでした。

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 おそらく、他府県や遠方からこの神社をお参りに来る人はなかなか少ないと思いますので、地元の住民の皆さんに愛されている神社なんだと思いました。9月に例大祭が行われているのですが、それも独特で、11日間に渡って、神輿渡御や神事が行わてるので、通称「だらだら祭」と呼ばれています。

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 ビジネスマンが歩き回っている街の、ビルの狭間に鎮座するこじんまりで小綺麗な神社でした。こじんまりですが、大神宮の名の通り「関東のお伊勢様」という格式ある神社です。結婚式に利用されていることが多いみたいですが、清潔感のある神社で、選ぶ理由もわかる気がします。幸福になれそうですよね。

 

名称:芝大神宮

住所:東京都港区芝大門1-12-7

創建:1005年

開祖:不明 (一条天皇

社格:府社

主な祭神:天照皇大神 豊受姫

メモ:関東のお伊勢様